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助手席からの景色がにじみながら、流れていく。
看板や標識なんて色しかわかんない。
大小さまざまな、色とりどりのホログラムみたい。
にじんだ世界は、キラキラと綺麗に見えた。
このままならいいのに…。
赤信号で車が停まる。
ゆっくりとした動きになる世界。
あのキラキラなまま、止まっていて欲しかった景色がなくなってしまった。
現実。
「あの、ね、優樹…。」
膝の上で固く握っていた手を、何も言わずに、片方だけ掴んでくれた。
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