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渡邊優樹。
あたしの彼。
同い年。
付き合って、2年半くらい。
サーフィンが趣味で、サーフ系のお店で雇われ店長してる。
出逢ったのは、3年前…。
冬の終わり、春が近づいたまだ寒い海。
撮影で行った、海。
優樹はサーフィンしにきてた。
あたしは元々色黒で、焼けやすい体質。
そばかすも、少し。
見るからに健康優良児。
アウトドア大好きです!!みたいな。
それが難で、春・冬用の撮影や可愛い系の撮影にはあまり呼ばれない。
なぁんか、ね…。
撮影場所として借り切った、ハワイアンなお店。
開放的な大きな窓から、海が見える。
甘いココナッツの匂いがしてた。
休憩になって、その匂いも、その日の撮影も、その空気感も嫌で、一人外に出た。
「ちょっと海いきまぁーす!!!!」
明るく、明るく…。
明るさだけが、取り柄だし…。
胸が、肺が、苦しい…。
ロングのダウンジャケットを羽織り、足先だけ、海に入りにいった。
シーズンじゃないから、あんまり人がいない。
ギリギリまで、足先を波に近づける。
フットネイルのストーンが、キラキラしてる。
呼吸が少し楽になった。
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