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振り向かなかったんじゃない。
振り向けなかった…。
我慢…してた…?
涙が、流れてた。
(もうちょっと頑張ろ。)
両手で顔をパチンッて挟んだ。
それから…。
何度か海に行ってみた。
あれから色んなジャンルにチャレンジし始めた。
チャンスを狭めていたのは、自分だと思ったから。
打ち合わせや撮影、他雑誌の企画、様々なオーディションの合間をぬって、その海に行った。
なんとなく。
フラッと…。
優樹は本当に、居た。
あの笑顔で。
特別何を話すでもないけれど、ぼーっと海を眺めたり、サーフィンする優樹を眺めたり、少しだけ波で遊んだり。
居心地がよかった。
安心できた。
会いたいな、と思った。
一緒に居て欲しいと思った。
そう思うのにそんなに時間はかからなかった。
いつの間にか、よく会って、いつの間にか、よく連絡取り合うようになって、いつの間にか…。
側にいた。
でも、お互いがお互いに抱えているものが気がかりだった。
特にあたし。
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