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黒のニットキャップ、サングラス。
ショート丈のジャケットにロングスカート、ビッグストールを首に巻いた。
全身を黒でまとめたけれど、真っ赤なお気に入りのショルダーバッグと、スカートの裾から覗く、ヒョウ柄のピンヒールがアクセント。
すっぴんでは歩けません。
電車を乗り継いで、一旦編集部へ。
「おはよーございまーす。お願いしまーす!!」
あたしのバカデカい声が編集部に響く。
まだ早朝。
日が昇り始めたくらい。
「おはよー。」
「…はよー。」
「亜希子、今日よろしくー♪」
「ふわぁっ………。お、はよー…。」
編集部にいた人たちが、それぞれに返事をしてくれる。
早朝からの集合なんて、珍しい事じゃない。
ていうか、ほぼ普通?
編集部の方々やスタイリストさんなんかは、前日入りしてる事もよくある。
もちろん徹夜。
仮眠くらいはしてるのかな?
寝たって、まだ朝はあったかいお布団が恋しい季節。
編集部の方々やスタイリストさん、メイクさん、カメラマンさん、アイテムを貸してくださるブランドの方々。
モデルさんたち。
この人たち以外にもたくさんの人たちが協力して、読者のみんながいて、あたしの仕事は成り立っている。
本当に有り難い事。
だからこそ、仕事は全力でやり遂げたい。
どんなに眠くても、疲れていても、たとえ嫌な事があっても、
[挨拶は笑顔で!!元気よく!!明るく!!]
これが、モットー。
仕事でも、プライベートでも。
優樹と出逢って、変わったところ。
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