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「これ!! なかなか置いているお店なくて。これ!!これにします!! "ヌワラエリア"。」
彼女が指差したのは
"NUWALA ELIYA"という、スリランカかどこかの紅茶。
頼む人、今までいたのかな…。
「かしこまりました。ホットで、よろしいですね?」
ちょっと意地悪だけど、聞いてみた。
彼女は真っ白な肌に浮く赤い唇を両方にひいて、ニッと笑って
「はい、ホットで、お願いします。」
と言った。
ポットにカップ、砂時計、シュガーポット、ティーストレイナー。
トレーに載せて運んで行った。
彼女は目をキラキラさせながら、砂が落ちるのを見ていた。
砂が全て落ち終わると、ポットからカップへ、ティーストレイナーなで茶葉を濾しながら、白い湯気と共に黄金色の液体を移した。
目をつぶり、鼻を近づけ、大切そうに一口飲んだ。
目をつぶったまま、優しく笑い、白くて小さな両手でカップを包み込み、また一口飲んだ。
彼女がシュガーポットを開けた時だった。
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