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彼女がシュガーポットを開けた時だった。
「っ!!!!!!!!あのっ!!すみません!!」
ちょっと悲しげな顔で、店内を見て言った。
(なんか入ってたのかなー……。あれ?あたし中身確認したっけ?)
内心ビクビクしながら、謝罪の言葉をたくさん思い出しながら、彼女の席に向かった。
4回め。
重々しく進む、バイト用のスニーカーに目が行っちゃう。
「お客様、どうなさいましたか?」
心臓がドキドキしてた。
シュガーポットの中を確認していなかった後悔が襲う。
「あの…。角砂糖はないんですか?」
またまた悲しげな顔で言う彼女。
「か、角砂糖…ですか?」
あまりにも見当違いの言葉に、若干声が裏返った。
「はい。角砂糖。ザラメを固めた、ゴツゴツしたやつがいいんですが…。」
謝罪の言葉も後悔も、意味をなさなくなって、ちょっとパニック。
「……。少々お待ち下さい。」
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