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急いで須田さんに近寄り
「須田さん!!さっきのポラ、一枚ください!!あと、マジック貸してください!!あと、ちょっと離れます!!」
一気に喋って、目的のものを奪うように受け取って、急ぎ足で愛美ちゃんの元へ。
小声気味に話しかける。
「愛美ちゃん!!」
困った風に笑いながら
「あたし、余計な事しちゃったね…。ごめんなさい。」
頭を深々と下げた。
胸が、心が、苦しい…。
ヒールのせいで+13cmのあたし。
小さな愛美ちゃんが、余計に小さく見えたのは、余計に小さく感じたのは、このせい…?
かがんで、愛美ちゃんの顔をみた。
「紅茶、すごくおいしかったよ。ありがとう。また飲みたいな。」
ニーッて笑って言った。
本当の気持ち。
「………本、当…??」
涙目で目が真っ赤の愛美ちゃんが顔をあげる。
(ねぇ、もしかして、泣いてたの…?)
心がギューッて締め付けられる。
「本当に本当っ!!!!あの…、今、あたし手元に携帯なくて…。」
あたしが写ったポラロイドに、マジックで番号とアドレスを書いた。
「連絡、待ってる。本当にね、ずーっと会いたかったの。」
かがんだままで、笑顔で言って渡した。
笑顔じゃないと、あたしまで泣きそうになる。
「あたしも、会いたかった。連絡、する!!ありがとう!!」
あたしの大好きな、笑顔の愛美ちゃん。
安心した…。
「じゃあ、まだ続きあるから。連絡、絶対してね!!おいしい紅茶も飲みたいし、話したいの!!」
笑顔で手を降って、元の場所に戻る。
振り返った。
愛美ちゃんは…。
ポラロイドを見ながら、1人でニコニコしてた。
(良かった…。)
それを見て、胸にあったチクチクが少しなくなった。
そして、再度こみ上げる嬉しさ。
(会えた、やっと会えた。また、会えた…!!)
藤田さんの言葉が頭に響く。
偶然?
運命?
必然?
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