--赤いクッション・赤い苺・赤いチェリー・赤いネイル--

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先にリビングに行った優樹が 「あっこー、ご飯食べてないでしょ?食べよー。」 って、リビングと玄関の間のドアを開けながら言った。 慌てて、キッチンを素通りしてリビングに行く。 キッチンから見える、窓の近くに置かれた藤のガラステーブルには、プラスチックの容器に入った、サラダや、黒オリーブの水煮、野菜と貝と一緒に煮込んだお魚、パスタ。 カットフルーツ。 「これ………。」 唖然とするあたし。 「あっこ爆睡してて起きなかったから、簡単なもの、買って来ちゃった。一応、声かけたけど、覚えてない?」 ビニール袋をまとめながら、優樹は言った。 「…………!!!!」 思わず抱きついた。 「優樹なんでこんな優しいのー?!もぉ、本当好き!!」 ギューッて抱きつきながら、優樹の首筋に顔をうずめる。 素足だと、187cmの優樹とはこのくらいの身長差。 「あっこ、ご飯が先。俺は、後。」 あたまをヨシヨシって撫でながら、こういう事言う。 「それはなくても大丈夫。」 優樹の耳、近く。 わざと唇が触れるように。 優樹は、すっごいガッカリした顔して、それがまた可愛くて。 でもすぐに、優しい顔して 「あっこは栄養摂らなきゃ!!で、風呂入って、寝る!!わかった?!」 って言った。 「はーい、お父さん♪」 >>>>>
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