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白衣を着た男は、巨大な洞窟の一番奥に立っていた。
周りを見渡せば、どこかの最先端の生物学の研究所と分かる。
塩素らしき鼻にツンとくる匂いが充満し、長時間その場に居れば気を失ってしまうだろう。
それでも白衣の男は、ただ何もせず立ち尽くしていた。緑の短髪、透き通る白い肌にはところどころに刺青が施されている。男はクセでそこをなでる。
助手「博士。そろそろお時間のようです」
男は後ろを振り返らず、分かったと言わんばかりに手を挙げた。
やがて白衣の男は、上を見上げて幾つもあるモニターを用意する。
画面には、青く光るカプセルが何個もあり、中には人らしき姿をしたものが入っている。
そして、もう一つの画面にはCGで構成された、何かの情景が描かれている。
?「ここだ。まだ奴らが発見していない新世界の座標地とは、ここを示していたのか」
X337Y221
大きく映し出された数字に、男は笑う。
その座標は、間違いなく彼の心の中を確信へと導き、また新たな道を作り出そうとしている。
?「魔法という名の超科学を使わず、己の力だけで異能を操る者たちの集まり」
男はモニターを背に、やがて出口に向かいながらぼそりと呟く。
?「それが新しき世界、学園都市か」
モニターには、ツンツン頭した少年と銀髪の髪をした少女が楽しそうに映る。
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