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何度目かの呼び出し音の後、留守番電話につながったから、1度電話を切リ、1番伝えなくちゃいけない相手に電話をかけた。
「 もしもしあずまです。 」
「 夏樹?愛羅だけど..
ちゃんと話したい事が
あるんだよね。 」
「 何となくわかる..
とりあえずうちに来て。 」
「 わかった。今から行くね。 」
電話を切った後、できるだけ大きな道を避けて、夏樹の家に向かった。
ここで親に見つかったら、全てが台なしになってしまう。
15分程度で夏樹の家に着き、インターフォンを鳴らすと、少したってもうすでに、涙の後をつけた彼女が出てきた。
「 上がって。 」
静かにそう言う夏樹の顔は、今までにない位悲しそうで、私の決心を揺るがした。
夏樹の部屋で、お互い向き合い、重たい沈黙の後、私は口を開いた。
「 私児童相談所に行く事に
しようと思ってる。 」
「 わかってた。また家で
やられたんでしょ? 」
「 ....うん。 」
私は髪の毛を上げ、沢山できたかさぶたを見せた。
髪の毛ってむちゃくちゃに引っ張られると、頭皮から血がでるんだって、前の日初めて気付いた。
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