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とりあえず手紙は全て私が引き取ることにした。
思いの外、分厚いその量に圧倒されたが、一応外のグラウンド近くのベンチに座りざっと手紙を読むことにした。
そこには私の詳細なプロフィールやら、私に対する愛やらが綴られていた。
住所や生年月日も一致しておりデータとしては完璧だった。
私は寒気がした。
しかし何より私が怖かったのは、勝手な設定がつけ加えられていることだった。
女子バスケ部でもないのに、私は女子バスケ部のエースになっていて、性格も優しいが少し不器用となっていた。
次の試合、応援に行きますから頑張ってくださいね、とも書かれていた。
後は漫画絵で私のことを描いたり、いっそ漫画を描いていたりもした。
その内容は私と手紙の差出人がイチャイチャしているというもの。
いい加減耐えられなくなって、早く帰ろうと思いベンチから立ち上がった。
すると、突然後ろから聞きなれない声で……
「深田さん。」
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