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誠さんが手を置いてる場所が熱い。
こんな事、お父さん以外にされた事ないから。
また顔に熱が集中してる気がする。
顔が、熱い。
恥ずかしくて俯いていると、また喉の奥で笑ってる音がする。
意地悪な人、だ。
急に頭の上から重さがなくなった。
反射的に頭を上げると、誠さんは私を見てなかった。
「誠君、まみと仲良くしてくれてるみたいで…ありがとうね」
いつの間にかお姉ちゃんが来てたみたい。
誠さんの眼は、お姉ちゃんだけを映してる。
ずきんっ、と胸の奥がほんの少し痛かった気がした。
けど、気のせいだろう。
私は病気とか無縁だし!
「いや……美鳥さんにお礼言われる事じゃないし」
「あっ!」
照れて笑うお姉ちゃん、それを見ながら表情が緩む誠さん。
美男美女で画になる。
「…ぁ!そろそろ帰るって伝えにきたんだ」
忘れてたって言いながら舌をペロッと出して、苦笑するお姉ちゃん。
一息吐いて、行こう、と口に出す。
「うん。バイバイ、誠君」
「美鳥さん、おやすみなさい」
「…さようなら」
「まみちゃんも、おやすみ。ね?」
誠さんは、少し意地悪に笑ってる。
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