衝撃の夜

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智君や誠さん、浩先輩との挨拶から早数日。 お姉ちゃんの荷造りも大体終わった。明後日には新居に行くらしい。 明日からお姉ちゃんの帰る場所は、智君の隣になる。 羨ましい程に幸せそうで、嬉しいけど少し… ほんの少しだけ、妬ましい。 これは、女として仕方ないよなー、なんて1人で納得する。 お母さんの、ご飯よーという声で自室から出て食卓に向かう。 階段を降りていると良い香りが鼻をくすぐって、ぐぅっと小さくお腹が主張した。 今日は、ハンバーグかな? お母さん特製のデミグラスソースの匂いが美味しそう。 上機嫌に食卓に続くドアを開けると、お母さんがご飯をピンクのお茶碗によそっていた。 テーブルには、やはり私とお姉ちゃんの好物であるハンバーグ。 テーブルに着くと、お母さんも用意が終わったのか席に着いた。 いただきます、と手を合わせてからご飯を食べ始める。 うん、今日も美味しい。 「ねぇ、まみ」 「ん?なに、お母さん」 「…美味しい?」 何だかお母さんが普段と違う。 よくわからない違和感に眉をひそめながら、美味しい、とだけ返す。
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