煮干し

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「大阪が好きなんでね」私はそれが駅のカーブを、曲がるのに身体を合わして答えた。「そうですか、大阪民として嬉しいです」 「昔は瓢箪山辺りに住んでたんですよ」 「よくラグビーを見に、母と東花園まで行ったものです」また微笑んだ。愛想笑いという感じである。 「ラグビー良いですよね、僕も大学時代やってましたわ」 「だから体格が良いんですね」 「はは、よく言われます」 そうこうしていると、タクシーは大阪城を横切り阪奈に入った 「お兄さんこれから暇です?」運転手は微笑み、聞いた 「暇ですよ」少し動揺しながら応えた 「呑みに行きません?」 「良いですけど、仕事大丈夫何ですか?」 「はい、今の時間帯ひとが全く居ないんで」 「そうじゃなくて飲酒運転ですよ」 「僕お酒呑めないんで」苦笑いをして、静かに呟いた
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