出会い

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「さてと…… 警察の方ならはめるのできますよね? 俺じゃちょっとあれなんでお願いします 一応綺麗に外したんでちゃんとはまると思います」 「お前……何者だよ……」 「大学生です」 ニッコリと笑う亜輝。 その笑顔は無表情で人の肩を外すような人物には思えない。 中年の男は倒れ伏していた男の肩をはめ込む。 「しばらく痛いと思いますのでここで休んでください それと…… そこのお二人からもお話を伺いたいと思います」 「は?」 「まず、警察の方 お名前は?」 「後藤だ」 「後藤さんですか 貴方は俺が通報してもいないのにどうしてここに? しかも多くある部屋の中で迷いなくここに来た」 「そういうことは全部こいつに聞いてくれ」 後藤は親指で八雲を指差す。 八雲は少しの沈黙ののち、口を開いた。 「君が危険だと知らされた」 「誰に?」 「……これを言えば君に殴られることになる」 「……予想ついた 言わなくてよかったな 恐らく言ってたら顔面殴り飛ばしてたぜ」 亜輝はクスリと笑い、ベットに背を預けている後藤と同じくらいの年齢の男に目を向ける。 「貴方の名前は?」 「東正一郎(あずましょういちろう)」 「咲……という方は?」 「娘だ 手術すれば治るかも知れない臓器の病気にかかっているんだ……」 「でも、お金がなくてある人物に娘さんを助けたかったら俺を殺せと言われたんですね?」 正一郎は小さく頷く。 「……やっぱりあいつはクソヤローだな……」 亜輝は小さく唸った。 「どういうことだ?」 後藤が問いかける。 「言いませんよ そう簡単に言えるような内容じゃないんで」
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