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いつものように斎藤 八雲の居るプレハブに来ていた小沢 晴香は彼の様子を見て思わず疑問を口にする。
「寝てないの?」
「あぁ……」
寝癖のついた髪をクシャリとかき上げ明らかに参った……という風に低く言葉を返す。
彼が寝不足なのではと思ったのは彼の目の下に浮かぶくまだ。
いつもの八雲はあくびをして眠そうにはしているけどくまは見たことが無かった。
「また事件?」
「本来後藤さんの専門である物にわざわざ自分の睡眠時間を削ったりしない
それに今は何もない」
「じゃあどうしたの?」
八雲はジッと晴香を見つめた。
晴香は思わずドキリとする。
「なっ何?」
「君は僕に借りがあるはずだな?」
「え?まっまぁそうかも……」
「なら少し僕に協力してくれ」
「?
私に出来るならするけど……」
こうしてある一つの絆の始まりが生まれた。
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