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放課後になり一人歩いて帰っていた氷室 亜輝はいつもの帰り道ではなくあえて細い路上に入り振り返る。
「音を立てずにつけてたのはいいが尾行すんだったら気配も消すこったな
生憎俺はそういうのが分かる体質なんでな
何で俺をつけてんだ?
サッサと面見せねぇと俺から片つけに行くぜ」
亜輝は拳を握り締めて見せる。
すると案外相手はアッサリ顔を出した。
寝ぼけた顔をしているが目の下にくまがあるため本当に眠そうだ。
ピンこら跳ねた髪は寝癖かと疑う。
相手はボリボリと頭をかき口を開いた。
「僕は斎藤 八雲
君と同じ学校に通っている同学年だ」
「一応知ってる
霊能力があるんだって?
除霊とかも出来るのか?」
「除霊は出来ない」
「それ以外の何が出来るんだ?」
「……霊の姿を見たり声を聞いたり程度だ」
「へぇ~」
亜輝はなるほどと頷いている。
八雲は亜輝を観察するようにジッと見つめた。
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