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亜輝はその視線に気分を害した様子もなく口を開く。
「俺もたまに見えたりする気がするんだが気のせいかな?」
「それを判断出来るのは僕ではなく君だ
気のせいだと思いたいなら気のせいだと思えばいいし、霊だと思うなら霊だと思えばいい」
「気のせいかな?って思うこともあるしマジかなって思うこともあるな
まぁそんな話するために俺をつけてた訳じゃねぇだろ?
俺に何の用だ」
亜輝の八雲を見る目が鋭い物に変わる。
だが八雲の表情は全く変わらず言った。
「実は少し関係がある」
「あんの?」
鋭かった亜輝の眼光が一瞬にしてキョトンとした柔らかい物に変わる。
八雲はコクリと頷き言葉を続ける。
「君にはお兄さんが居たか?」
「兄貴はいねぇよ
クソウゼェ妹は居たがな」
八雲は訝しげに眉を寄せる。
だが亜輝も同じように眉を寄せ聞き返す。
「それが何だ?
他人の家族構成でもアンケートしてんのか?」
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