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亜輝は授業を受ける気にはなれず適当にぶらついていた。
鍵の壊れている非常階段を見つけ、そこで寝直すことにした。
そして太陽が真上より少し傾いた頃目が覚めた。
伸びをし立ち上がる。
その時
“危ない!!!”
「え!?」
不意に誰かの声がした。
そして、反射的に後ろに飛べば上から植木鉢が落ちて来た。
上を見上げると可愛い女の子が青い顔で口を開く。
「ごっごめんなさい!!!
肘が当たって……
大丈夫ですか!?」
「大丈夫だよ」
ニコリと笑い相手を安心させる。
「えっと……
小沢晴香ちゃんで合ってるかな?」
「え?あっはい」
「じゃあ植木鉢の片付け手伝ってくれる?」
「はっはい!!!」
晴香はすぐに走った。
亜輝は植木鉢の割れた大きな欠片を集めた。
そして物思いにふける。
さっきのあの声が無かったら……
避けられなかったかもしんねぇ……
しかもあの声は……
「お待たせしました!!」
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