ナイス部活

4/11
前へ
/80ページ
次へ
んで結局おれ、知宏、雄太の3人で部室に向かっています。 なんだけど…… 「ねえ、何で外に出んの?いま向かってるのって何部だっけ?」 「軽音部ですよ、靴に履き替えた理由はすぐにわかりますよ」 とかいいながら体育館横の狭い物置に到着した。 「まさか………?」 「多分そのまさかだと思うぜ」 ガッハハと笑う雄太。 「さあ、じゃあ入りますか?」 そう言って、知宏は扉を横にスライドさせる。 中には、おれの想像を越えた世界が広がっていた。 大きく、そのままライブができるんじゃないかと思うほどのアンプ。 奥に設置されたドラム。 ホコリまみれで、汚いと思っていた床と壁も、きれいにされていた。 壁には、かなりの数のポスター。 「すごい………」 「だよな、おれも初めて来た時はビックリしたよ」 「それじゃ弾いてみますか?」 知宏の手には、レスポールが握られていた。 「えっおれ弾けるなんて言ったっけ?」 「その左手の中指、ギター弾く以外にそんなに傷つかないでしょう」 おれの中指は、弦を押さえるためにぼろぼろなってしまっている。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加