ナイス部活

5/11
前へ
/80ページ
次へ
「そう言うこった、ちなみにおれはドラム」 いつのまにかスティックを持っていた雄太は力強くビートを刻み出した。 「そして、僕はベースです」 ベースをアンプに繋ぎ、アンプのツマミを回すと、弦を指で弾いた。 繊細な音……いつまでもずれるなんてことは無さそうな正確なリズムだ。 ここでギターを弾きたい。 切実にそれだけ思った。 「さあ、淳平も弾いてください」 「なんだっていいぞ!」 笑顔で頷いたおれは、知宏に渡されたレスポールをアンプに繋ぐ。 どこも押さえずに一回ストロークする。 うちのアンプなんかじゃ比べられないほどのいい音。 心地よいディストーションに酔いしれたおれは、こないだ適当に考えた短いフレーズを弾く。 そんなに速くは無いが、時々チョーキングはライトタッピングで緩急をつけている。 たった4小節の短いフレーズ、それを繰り返す。 すると、リズムを合わせ知宏が入ってくる、ギターの緩急に合わせ、時に並んで、時に離れてを繰り返す。 雄太がシンバルを叩く!
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加