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「そう言うこった、ちなみにおれはドラム」
いつのまにかスティックを持っていた雄太は力強くビートを刻み出した。
「そして、僕はベースです」
ベースをアンプに繋ぎ、アンプのツマミを回すと、弦を指で弾いた。
繊細な音……いつまでもずれるなんてことは無さそうな正確なリズムだ。
ここでギターを弾きたい。
切実にそれだけ思った。
「さあ、淳平も弾いてください」
「なんだっていいぞ!」
笑顔で頷いたおれは、知宏に渡されたレスポールをアンプに繋ぐ。
どこも押さえずに一回ストロークする。
うちのアンプなんかじゃ比べられないほどのいい音。
心地よいディストーションに酔いしれたおれは、こないだ適当に考えた短いフレーズを弾く。
そんなに速くは無いが、時々チョーキングはライトタッピングで緩急をつけている。
たった4小節の短いフレーズ、それを繰り返す。
すると、リズムを合わせ知宏が入ってくる、ギターの緩急に合わせ、時に並んで、時に離れてを繰り返す。
雄太がシンバルを叩く!
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