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「それで、軽音部って何すんの?」
「おれもそれ気になってた!」
「僕は雄太が知らないことに失望しました」
冷たく言い放った知宏は、泣きついて謝る雄太を無視しながら話を続けた。
「とりあえず、文化祭などですが、他にも何か行事がある度に演奏することになっています」
なるほど……そう言えば!
「なあ、他の部員は?挨拶したいんだけど…」
「ああ、部員は僕ら2人だけです、淳平も入れて3人ですね」
知宏はすごいことを、泣きつく雄太を足蹴にしながら簡単に言った。
「そうなの?」
「ええ、それと一番近い発表は来週の球技祭の開会式での発表ですね」
知宏はまたまたすごいことを、土下座して謝る雄太の頭を叩きながら言った。
そろそろ雄太がかわいそうになってきたので、止めようかと思ったが、知宏の笑顔が、すごい恐かったのでスルーした。
「なので、できれば今日中に演奏する曲と、バンド名だけ決めちゃいたいんですよ」
「知宏はやりたい曲あるの?」
「いえ、なんでも大丈夫ですよ」
「雄太は?」
「…………」
返事が無い、ただの屍のようだ。
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