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入試が終わってしばらくが立った頃
まだ結果は発表されてはいなかった
受かる手応えは合ったが、この学校の奨学金は入試トップで入り首席を取り続ける事
首席が取り続けられなければ奨学金の額は減る
別に家計が苦しい訳では無いが、わずかでも学費負担を減らしたかった
入試トップは無理だったかと不安が頭を過る、ゴロゴロとベッドに転がって居ると
「聖~! 電話よ~!」
「誰から~!」
「学校!」
学校? なんで?
「今行く!」
理由は分からないが母さんから電話を受け取った
興奮した担任の言葉は要領を得ないものだったが
「すぐ来てくれ! 我が校の誇りだ!」
この言葉でなんとなく理解できた
俺、奨学金ゲットしたのか?
「ねぇ! 聖何かしたの? 非行に走ったのが学校にバレたとか?」
「俺の何処が非行に走った様に見えるよ! しかも嬉しそうに本人に聞くな」
「だって、先生様子変だったから」
「入試結果が判ったみたい、話したい事があるから来てくれってさ。行ってくる」
「なんだ、つまんない」
「つまってたまるか!」
過去に非行に走った経験ありな母
隙あらば不良にしたいって……逆だろ普通!
母親に呆れながら家を出て自転車を飛ばす
登校は自転車禁止の校則だが、この場合は良いだろ
バスに乗って行くよりも早く着いた中学校
職員室に行くと担任が満面の笑みを浮かべて待っていた
「いや~! 鼻が高いよ! 流石学年首席を取り続けた男! よっ! 日本一!」
「話はそれだけですか?」
あまりの浮かれっぷりに引くって!
ブリザードな俺の態度に気付き、コホンと咳払いをしてテンションを下げる担任
「そのだな、ちょっと一緒に校長室に来てくれ」
やっと本題かと思ったら校長室?
付いて行く途中スキップし始める担任を冷たい目で見つつ
校長室に入った
入った生徒なんて片手で数えられるだろう、謎の部屋
校長室には当たり前だが校長が居て
これまた満面の笑み
中年と老年の男が並んで最高の笑顔
ちょっと気持ち悪い
居心地も悪い
「君が氷崎聖君か! うんうん!」
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