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頷く理由は解んないがとても満足そうだ
「実は君が入試満点を取った為、奨学金がでる事が決まったよ!」
「本当ですか!」
予想してたけど嬉しい!
だけど、それだけで呼び出されたのか?
「だが、満点はもう1人居て新入生代表の挨拶はその子にさせたいと……連絡があってな」
「別に良いですよ」
「そうだろ! 悔し……ってえぇ!」
「奨学金は出るんですよね?」
「あぁ、もう1人は物凄く裕福な家庭の子らしい……本当に良いの?」
何故聴いて来るかが分かんないな?
「奨学金が出るなら構いません」
「家計厳しいの?」
「いえ、親の負担を減らしたいだけです」
「目立たないよ?」
「目立つ為に勉強してた訳ではありません」
俺の言葉に本気で驚く校長
どんな生徒を相手にして来たか気になってくるな
「今時、珍しい子だ! 坂本君! 良い生徒持ったね! 羨ましいよ」
「はい! 自慢の生徒です!」
涙ぐむ大人達を直視できず、ぼ~っと窓の外を眺める
ふと、カズの入試結果はどうなったのかが気になった
「坂本先生、岩谷和樹の結果って分かりますか?」
「あぁ、アイツは補欠入学が決まったぞ! 正に奇跡の入試結果だ!」
つまり幼稚園からこれからの高校生活含め、ざっと14年の腐れ縁が決定したのか
「お前達仲良いもんな!」
「友愛! 素晴らしいな!」
話はこれで終わりらしい、礼をしてサッサと退室した
入試結果が早目に判った解放感!
だが、これからもう1人の入試満点の人と首席を争う事になるだろ
もっと勉強しといた方が良いかな?
この先の高校生活に良い勉強のライバルが出来た
なんとなく楽しい気分になりながら家路に着く
後で元同じ中学卒業生の親父から聴いた話だか
新入生代表が出来ず暴れた奴が居たらしい
訳わからん!
その暴れた奴の担任だったのが今の校長
苦労したんだな
「今は落ち着いてるが、昔は有名な不良校だったんだぞ」
「へぇ~、って……」
ちょっと待て親父!
まさか、親父もか? 不良だったのか?
「お兄ちゃん、お父さんって……」
この日親の深さを知った
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