高校入試結果

3/3
前へ
/361ページ
次へ
頷く理由は解んないがとても満足そうだ 「実は君が入試満点を取った為、奨学金がでる事が決まったよ!」 「本当ですか!」 予想してたけど嬉しい! だけど、それだけで呼び出されたのか? 「だが、満点はもう1人居て新入生代表の挨拶はその子にさせたいと……連絡があってな」 「別に良いですよ」 「そうだろ! 悔し……ってえぇ!」 「奨学金は出るんですよね?」 「あぁ、もう1人は物凄く裕福な家庭の子らしい……本当に良いの?」 何故聴いて来るかが分かんないな? 「奨学金が出るなら構いません」 「家計厳しいの?」 「いえ、親の負担を減らしたいだけです」 「目立たないよ?」 「目立つ為に勉強してた訳ではありません」 俺の言葉に本気で驚く校長 どんな生徒を相手にして来たか気になってくるな 「今時、珍しい子だ! 坂本君! 良い生徒持ったね! 羨ましいよ」 「はい! 自慢の生徒です!」 涙ぐむ大人達を直視できず、ぼ~っと窓の外を眺める ふと、カズの入試結果はどうなったのかが気になった 「坂本先生、岩谷和樹の結果って分かりますか?」 「あぁ、アイツは補欠入学が決まったぞ! 正に奇跡の入試結果だ!」 つまり幼稚園からこれからの高校生活含め、ざっと14年の腐れ縁が決定したのか 「お前達仲良いもんな!」 「友愛! 素晴らしいな!」 話はこれで終わりらしい、礼をしてサッサと退室した 入試結果が早目に判った解放感! だが、これからもう1人の入試満点の人と首席を争う事になるだろ もっと勉強しといた方が良いかな? この先の高校生活に良い勉強のライバルが出来た なんとなく楽しい気分になりながら家路に着く 後で元同じ中学卒業生の親父から聴いた話だか 新入生代表が出来ず暴れた奴が居たらしい 訳わからん! その暴れた奴の担任だったのが今の校長 苦労したんだな 「今は落ち着いてるが、昔は有名な不良校だったんだぞ」 「へぇ~、って……」 ちょっと待て親父! まさか、親父もか? 不良だったのか? 「お兄ちゃん、お父さんって……」 この日親の深さを知った
/361ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1903人が本棚に入れています
本棚に追加