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新入生代表の挨拶を考えていたその時
部屋に幼なじみの『川越 梨子』が入って来た
「みっちゃん! 私も合格したよ!」
「本当! 同じ高校になったんだ!」
「うん! 頑張ったかいがあったよ!」
家のコックの娘である梨子は勉強よりスポーツが好きで、中学もスポーツ校で有名な所に在学していた
動きやすいショートカット髪を茶髪に染め
健康的に日焼けしソバカスがある
愛嬌たっぷりの親友
合格の知らせはとても嬉しかったが
「でも、矢上も合格したって……」
「うっ! アイツも?」
『矢上 柘磨』
ナルシストで嫌みったらしく、私に言い寄る男
私と仲が良い梨子に嫌がらせをする事もあり、最低最悪の同じ中学の男
「アイツ馬鹿だから離れたと思ったのに!」
「ストーカーとして通報しなよ! 私達が外で遊んでるとかなりの確率で遭遇するし!」
同じ中学じゃない梨子への嫌がらせは、大体が偶然? 遭遇した時にやっている
当然私の目の前で
「バレないと思ってるのかしら、何時も《偶然ですね》何て言って!」
「白々しいよね! 自意識過剰で気持ち悪いし」
「髪をかきあげる仕草が特にね!」
「そうそう、邪魔なら髪を括っておけば良いのよ!」
良い所って何処?
矢上に関しては誰もが言い切る
ある時は苛めの首謀者、親の権威を振りかざす馬鹿
あれで警察庁のお偉いさんの息子って所が立ち悪い
「アイツに恋するぐらいならカエルにファーストキス捧げるわ」
「大丈夫! カエルが王子様に変身する方が現実的だよ! それに、アイツに会ったのは10才の時だし、運命の人じゃ無いよ!」
占いの運命の人
梨子は羨ましいなんて言ってたけど、実際好みじゃない男と会い続けるのは地獄だよ
「高校に通う内に恋する男か、婚約者候補達はホントに嫌だな」
「お見合い相手じゃなくても、すれ違った人が運命の人かもよ! ねぇ、出会い無かった? 落とし物拾ってもらったとか、ぶつかったとか!」
「ぶつかる?」
「恋愛小説の王道だよ! 道の角を曲がるとそこに素敵な人が!」
キラキラと瞳を輝かせ、うっとりする梨子を見つつ考える
ぶつかった人?
だいぶ前に居たような?
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