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雪は音も無く二人の前を過ぎていく。
「綺麗…。まるで宝石のようね。……コホ」
小さく咳をするネージュを見て女性は窓を閉めた。
「ほらほら、今日はもう寝てなさいな」
名残惜しそうにするネージュの背中を軽く押し、カーテンを閉める。
「また…また会えるかな」
「ん?誰と?」
不思議そうにする女性に向かって、ネージュは軽く首をふって微笑んだ。
「雪の使いと…かな」
女性は首をかしげ、暫く考えていたようだが、その言葉をそのまま飲み込む事にしたようだ。
「会えるといいわね。もし会ったら、少しは雪を降らすのを休んでねって伝えて頂戴」
ネージュは微笑み頷く。
「叶えてくれるかはわからないけれど」
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