一章

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雪は音も無く二人の前を過ぎていく。 「綺麗…。まるで宝石のようね。……コホ」 小さく咳をするネージュを見て女性は窓を閉めた。 「ほらほら、今日はもう寝てなさいな」 名残惜しそうにするネージュの背中を軽く押し、カーテンを閉める。 「また…また会えるかな」 「ん?誰と?」 不思議そうにする女性に向かって、ネージュは軽く首をふって微笑んだ。 「雪の使いと…かな」 女性は首をかしげ、暫く考えていたようだが、その言葉をそのまま飲み込む事にしたようだ。 「会えるといいわね。もし会ったら、少しは雪を降らすのを休んでねって伝えて頂戴」 ネージュは微笑み頷く。 「叶えてくれるかはわからないけれど」
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