LIVE6/Voice and cry2/2

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「じゃあどうしてそんなこと聞くの?」 「む……」  太一は少しどもった。  素直に常盤沢江が死ぬかもしれないからとは当然言えない。  だが熟女好きだからとも断じて言えない。言うものか断じて。  と心の中で思ったものの、常盤沢江はまるで優奈をそのまま大人にしたような女性だった。  実年齢(三十代くらい)より相当若く見える。  案外自分のストライクゾーンの広さを実感する今日この頃だ。  さて、この場を面白おかしく誤魔化すにはどうすれば良いか?  その答えは一瞬で浮かんだ。 「実はお前の母さんの背後に悪霊がとりついていたんだ」 「ふえぇっ!?ほ、本当に!?」 「ああ。本当に(この子は騙しやすいな…)」 「どんな悪霊!?お、お母さん大丈夫かなぁ!!ああどうしよう!!」  と涙目で訴えてくる少女に若干罪悪感を抱いた太一だった。  さすがに悪霊は言い過ぎたかもしれない。 「あ、安心しろ。悪霊と言っても怖いものじゃない。ほら、お前にとって一番可愛いものを想像してみてくれ」 「か、カンガルー?」 「そうだ。お前の母さんの背後にいるのはカンガルーの悪霊だ」 「何故カンガルーが!?」 「知らん。カンガルーに聞いてくれ」  俺も大概だな…。  そう思いつつも太一は場を和ませることに成功してホッとした。
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