LIVE4/Requiem for someone

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「見ず知らずの君だからこそ言うけどね、俺だってそういう人達を心底救いたい……ってガキの頃はそう思ってたよ」  “そいつ”の言葉は平坦だが、まるで分厚い鉄板のように冷たくて重い。  流石に太一も『ガキの頃』という言葉を聞いてゾッとした。  未だに半信半疑だが、もし本当なら彼は小さな頃から人の死を今みたいにたくさん、それこそ『死を運ぶ』なんて言われるほど見てきたに違いない。  中には今日のような悲惨な死もあったはずだ。  ……俺なら確実に狂っている。 「ま、それも今となっちゃ昔の話だけどね……」  微かに漂う哀愁が太一の怒りを削いでいく。 「それは……大変だったな」 「おや?さっきまでキレてたのにもう同情かい?」 「んなっ!」 「冗談だよ冗談」  “そいつ”はそう言って一笑するとくるりと向きを変えた。 「お、おい」 「待ちゃしませんよ。悪いクセで流石に喋りすぎた。あ、付いてくるとかもなしで。俺は孤独な男なんだ」  彼の足は止まらない。  が、急に何かを思い出したように首だけ振り返った。 「そうそう、ライブ見てくれてありがとう。またどこかでやるだろうから」 「……潟滝太一」 「ん?」  ダメ元で言ってみる。 「名前だよ名前!ほら、サンハイ!!」 「……ジェニファー山田」 「偽名だろ」 「うん、まあ」  彼は含み笑いをしながら告げる。
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