LIVE5/Voice and cry1/2

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 木漏れ日のように街頭を照らすその喫茶店の弱い光が、ミサを仄明るく包む。  そして、彼は客となる通行人の数を確認しながら今回の収穫を考えていた。 (…あ、そういや飴きれてたな。よし、一ヶ月分は買おう)  という具合が目下続いている(因みに今までの“一ヶ月分”は一日で消費してきた)。 「えっと、ケーブルは……うん。コレでよし」  ミサは新調した(安物だが)ステレオアンプを店の配線に繋げた。  ギイィーーン……  延長コードで無理やり店から引っ張り出してもらった配電がギターに旋律を与える。  ビイィン ビイィーーン……  チューニングの感じは上々。ギブソンの弦をもう2、3度弾く。  ブンン イイィーーン……  そのたびにリズムのない音が羽虫のように空に霧散し、足音で満たされた街を飛び回った。  果たして何人が聞き入れてくれるだろうその音はしかし、  ふっと消えて  次の瞬間爆音に変わって単音の余韻をかき乱す。  他の店や近隣の有線スピーカー、足音までもバックコーラスに変えて、ミサの旋律はそこにある全てをかっさらった。  
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