LIVE6/Voice and cry2/2

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 何の疑いも曇りもない目で優奈は彼の左腕を見つめた。  可もなく不可もなく日焼けもしていないどこまでも微妙な左腕。  我ながらこれが伝説なら世の中伝説だらけだと思った。  無理矢理こじつけても“ゼ○ダの伝説全クリに貢献した暇人の左腕”略して“伝説の左”がまだ似合う。 「ん、何でそんな悲しい顔してるの?」 「この手は破壊しか生み出さないのかと思うと…ね」  主にゲームのセーブデータとか。 「よく分かんないけど、で!どうやって倒したの?」 「デコピン」 「すげーっ!!」  ああスゴいな、そんな化け物がいたら。  無邪気に感激する優奈に背徳感を感じながらも、しかし彼女の健全な成長を願って一言。 「嘘だけどな」 「へ?ああ流石にデコピンで熊は--」 「熊登場のとこから」 「あんまりだっ!!」  素直な少女はまたも絶望的な表現を浮かべた。それを太一は満足そうな顔で見つめる。 「う、嘘は泥棒の始まりだー。そんな悪いお兄さんは将来弁護士志望の私が裁いてやるのです!!」 「いや、裁くのは裁判官の役目だから……てか昨日は教師とか言ってなかったっけ?」 「うん!!私ね、たーくさん将来の夢があるんだ!他にも正義のヒーローとか悪の帝王とか」 「両立難しそうだな。暗黒面にでも堕ちる気かよ」
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