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「一輝…落ち着いて。
寝不足なんだから、
ここで体力使わないのっ。」
「だって…アイルが…」
一輝はまだ
ブツブツ言っていた…
「えっ?姉さん達も、
寝不足なんですか?」
ん?…私…墓穴掘った…?
一輝がクスクス笑った…
「リンリン。
姉さん達“も”って…
リンリン“も”って事?」
私は振り返って
二人を交互に見た。
二人は同じ様に真っ赤になって下を向いていた‥‥
「アイル。
赤飯はいつ食いに来る?」
一輝はまたミラー越しに
瀬名さんを見た。
「兄貴ぃ…まだっすよ。」
瀬名さんは
頭をポリポリかいた。
「えっ‥!?そうなのかっ!?
…そうか。まだか。」
「…スイマセン。」
「何で俺に謝んだよ。
いいじゃん。二人で朝方まで
語り合ってたんだろ?
いいねぇ~。初々しいねぇ~。なっ。ナナ。」
一輝は私の方を見た。
「うん。いいねぇ~。
可愛いねぇ~。」
私は後ろの二人を見た‥‥
何だか微妙な空気…
何なの‥‥?
「‥‥語り合いでも
ないんすけど…」
そう言うと
瀬名さんは
美鈴をチラッと見た。
すると、突然美鈴が言った。
「二人とも初めてで
うまくいかなくって…
姉さん。
どうしたらいいんですか?
教えて下さいっ!!」
えーーーーっ!!!!!!
美鈴ーーーっ!?
何を言ってんの~~っ!?
私は咄嗟に前を向き
一輝の腕にしがみついた。
一輝は微笑みながら
私に言った‥‥
「お姉ちゃんなんだから
リンリンに教えてあげたら?」
何でそんな爽やかな笑みで
言ってんの?
「美鈴…
私が教える事なんてないよ‥」
「でも…姉さんは正真正銘の
寝不足じゃないですか?
こんな事、姉さんにしか
聞けないですっ。」
一輝はプッと
吹き出して笑った…
「ねぇ。
正真正銘の寝不足って何?」
私は一輝に聞いた。
「ん?わかんねえ。」
「もう…どうすんの?
どうしたらいいの?」
「ん~。どうしょっか?」
一輝…何か楽しんでない?
「兄貴っ。
今日付き合って下さいっ。」
すかさず美鈴が…
「姉さんっ。私も今日
付き合って下さいっ。」
信号は赤…
私と一輝は目を合わせた…
一輝と私は
ハア~~~っと
深いため息をついた…
何で、
こうなっちゃうかなぁ…
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