外伝①

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「一輝…落ち着いて。 寝不足なんだから、 ここで体力使わないのっ。」 「だって…アイルが…」 一輝はまだ ブツブツ言っていた… 「えっ?姉さん達も、 寝不足なんですか?」 ん?…私…墓穴掘った…? 一輝がクスクス笑った… 「リンリン。 姉さん達“も”って… リンリン“も”って事?」 私は振り返って 二人を交互に見た。 二人は同じ様に真っ赤になって下を向いていた‥‥ 「アイル。 赤飯はいつ食いに来る?」 一輝はまたミラー越しに 瀬名さんを見た。 「兄貴ぃ…まだっすよ。」 瀬名さんは 頭をポリポリかいた。 「えっ‥!?そうなのかっ!? …そうか。まだか。」 「…スイマセン。」 「何で俺に謝んだよ。 いいじゃん。二人で朝方まで 語り合ってたんだろ? いいねぇ~。初々しいねぇ~。なっ。ナナ。」 一輝は私の方を見た。 「うん。いいねぇ~。 可愛いねぇ~。」 私は後ろの二人を見た‥‥ 何だか微妙な空気… 何なの‥‥? 「‥‥語り合いでも ないんすけど…」 そう言うと 瀬名さんは 美鈴をチラッと見た。 すると、突然美鈴が言った。 「二人とも初めてで うまくいかなくって… 姉さん。 どうしたらいいんですか? 教えて下さいっ!!」 えーーーーっ!!!!!! 美鈴ーーーっ!? 何を言ってんの~~っ!? 私は咄嗟に前を向き 一輝の腕にしがみついた。 一輝は微笑みながら 私に言った‥‥ 「お姉ちゃんなんだから リンリンに教えてあげたら?」 何でそんな爽やかな笑みで 言ってんの? 「美鈴… 私が教える事なんてないよ‥」 「でも…姉さんは正真正銘の 寝不足じゃないですか? こんな事、姉さんにしか 聞けないですっ。」 一輝はプッと 吹き出して笑った… 「ねぇ。 正真正銘の寝不足って何?」 私は一輝に聞いた。 「ん?わかんねえ。」 「もう…どうすんの? どうしたらいいの?」 「ん~。どうしょっか?」 一輝…何か楽しんでない? 「兄貴っ。 今日付き合って下さいっ。」 すかさず美鈴が… 「姉さんっ。私も今日 付き合って下さいっ。」 信号は赤… 私と一輝は目を合わせた… 一輝と私は ハア~~~っと 深いため息をついた… 何で、 こうなっちゃうかなぁ…
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