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どうやらその紙に爪を引っ掛けたようで、少し破れてしまっている。
更に目を凝らして見て背筋が凍った。
その紙には読めない黒い字と朱色の文字で【封】
やばいと思った。
お札だ。
なんのお札かはわからないけど確かにお札だ。
その時、部屋の外から父の声が聞こえた。
「ああああ!母さん!母さんが!」
それ以来、俺には家族はいない。
その後、母は入退院を繰り返し、18才の時に死んだ。
父は母の病名について話すことはなかった。
父は俺が19歳の時に俺があの時ばらしたカラクリ箱と一緒に失踪してしまった。
今でも思う。
きっと母を殺したのは俺だ。
結局あの箱の中に何が入っていたかはわからないままだ。
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