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それなりの食事もとり、当然呼吸もしている でも… 千由里の心は… 死んでいる 家族や周りに人間の気配を察するとスイッチが入る スイッチが入ると普通に会話して笑うこともできる 一人になると 考えることは一つ… 慎一… 慎一が居なくても何も変わらない 夜がきて 朝がくる 千由里の世界だけは時が止まっている そう… あの日、慎一を見送った日 元気で頑張っているのだろうか… 声が聞きたい 千由里を置いて行ったのは慎一… 慎一から連絡が来るまでは自分からはしない 自分で決めたこと… 少しだけ後悔する 今の千由里の暮らしは 空っぽだった 何も… もうない 楽しみも張り合いも… 何もない 何も…
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