☆最悪かつ最高なアイツ

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「親類ということもありますし、何より画材を自分で稼いだお小遣いで買いたいというところがポイントでしたね。僕が説得するまでもなく、学長からは了承が得ることが出来ましたよ」 「ありがとうございます!」 「ただし、毎月買った画材の領収証を学校に提出して下さい。疑うわけではありませんが、信頼を形にきちんと残しておく必要はありますからね」 「はい!」 「それからこの書類に親御さんと、その叔父さんから印鑑をもらってきて下さい。それで後は問題ないですよ」  うれしさを隠しきれないわたしは満面の笑みでそれを受け取ると、大事に鞄にしまった。  絵を描くのに良い画材を買おうとすると結構な金額になる。  それを親にねだりたくはなかった。  自分の好きな物にお金をかけるのは自分のワガママ。  だからもし、出来るなら、と前々から計画していたのだ。  事前に親と叔父さんに話をしたらこころよく了解をしてくれた。
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