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そして、そんな見えるんデスを使用し、"自分たちが自ら執筆した本の世界を体感しよう"、というのが僕が部長を勤めるこの『花咲ングダム』の活動理念だった。
花積もその部員の一人。正確には、僕と花積を含めても部員は四人しかおらず、檻花学園において部活が成立する規定人数である五人に達していないので、まだ部活ではなく『同好会』という扱いである。
とにもかくにもそんなけで、同好会の活動理念に基づき、僕がつい先ほどまで体感していた『花積のライトノベル』に関して、物申すことがあるわけだ。
「しかし、一体全体何をそんなに目くじらを立てている。私が用意したものは文句のつけどころもない代物だったはずだが。――ああ、ライトノベル作家を目指している王からしてみれば、素人に毛が生えた程度の私にあのように完璧過ぎるものを執筆されては、逆に受け付け難かったか。すまない、配慮が足りなかった。これは十二分に私の落度だ、許してくれとは言わんが、せめて恨んでくれ」
……一応、花積の名誉の為に説明しておくと、彼女に嫌味や人を貶めようという気は更々ないのだ。ただ、人よりちょっと、いやかなり真っ直ぐ過ぎるだけで、彼女に悪気はないということを理解してほしい。
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