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何が起こり、そして何が残ったのかはその哀れな姿から察してあげてほしい。
まあ、救いは与えられるものではなく掴み取るものであり、ただ待っているだけでは足元を掬われるということだろう。その点自ら手を伸ばした花積は、十分称賛に値すると信じたいが、いかんせん、現実はお話のように簡単ではなかった。
摘花花積。檻花学園2年7組、17歳。身長――149センチ。
そう。
頭脳明晰容姿端麗質実剛健の彼女には、圧倒的なまでに身長が欠落していた。
神様ってやつは、意外と平等主義なのかもしれない。
普通にへこんでいた花積だったが、そこはそれ、彼女というパーソナリティが成せる業(わざ)。すぐに不屈の精神で顔を持ち上げる。
そして涙を拭い、すかさず再チャレンジ。今度は足をめい一杯爪先立ちにし、ぷるぷると震えながら、一生懸命より高みへと手を伸ばそうとする。ジャンプしても届かなかったのに、背伸びで届くはずがないのにも関わらずだ。
案外、聖書においてバベルの塔を築こうとした人間たち、初めに高層ビルを考案した人間たちの根幹には、今の花積と同じ心境があったのかもしれなかった。そう考えれば、教訓として語り継がれている話も、今や空を埋めているビルも、そこまで悪いものには感じなくなってくるから不思議だった。
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