春風

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「パパ、おきて」 気持ち良くまどろむ達也の肩を、小さな手が揺すっている。 「パパ!はやく!ママにしかられるよ」 「んー…」 達也は目を閉じたまま、一生懸命自分を揺すっている娘の舞に手を伸ばして、布団の中に入れた。 「パパは…まだ眠いんだよ」 「ダメだよー、カイシャなんでしょおー?」 達也と一緒に寝転がりながらも、舞が言った。 「さっさとおきて。あさはいそがしいんだから 」 あまりにも妻にそっくりなその口調に、達也が笑う。
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