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lost 3
「おはよー。」
「おはよう」
辺りからは声が飛び交う。だが海流には関係ない。彼は周りを気にしていない。彼の目はとても冷たく感じられる。
「桜・・・・・・・・か・・・・。」
海流はひらひらと舞い落ちてきた桜の花びらを掌に載せ呟いた。
「海流くん、おはよー。今あたしのこと呼んだ?」
いきなり後ろから栞が海流に話しかけた。が、海流はイヤホンをしていたせいで栞の声が聞こえなかったのだろう。栞には一切反応せず、教室へと歩きだした。
「ちょっとー。無視しないでよー。」
栞は海流を追いかけた。
「おはよー海流くん。」
今度は前から話しかけてみた。すると海流は一瞬驚いたものの、小さく頷き、また歩きだした。
「何で話してくれないんだろ?」
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