第一章

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「これか?」 俺はローズに見えるように左手を軽く振った。 「うん。その手袋。」 「昔の傷を隠してるだけだ。」 俺がそう答えるとローズの目線が手袋に集中した。 「見せて。」 「何でだよ。」 「お願い見せて。」 ローズが手袋を外そうとして来る。 「ちょ止めろ。……そもそも見せる理由が無い。」 ローズにそう言うとようやく諦めてくれた。 そして濃いめのコーヒーを飲みながらずっと気になる事があったので聞いた。 「しかしお前こんなに服を買って。全部着るのか?」 「着るわけないじゃん。」 後少しでコーヒーを吹く所だった。 「………じゃあ何で下着や服を買わせた?」 「ストレス解消の為よ。そもそも基地の中じゃスポーツブラだし服も決まってるし。結婚しない限り無理よ。」 「だったらお前の金で買えよ。」 「金はあまり使いたくないのよ。」 「理由は?」 「隊長から聞いてないの?」 「何だ?」 俺がそう聞くとタイミング悪く携帯が鳴った。 見て見ると隊長からだった。 取りあえず電話を受けると開口一番にこう言われた。 「仕事だ。」
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