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つかさ「んー…すっごく大人で、すっごく優しい人っ」
友紀「月並みな返事ですな」
つかさ「それ以外思い付かないんだもん」
友紀「あれ?そう言えば、つかさってその人と付き合ってるの?」
つかさ「うん」
友紀「…初耳なんですけど」
つかさ「聞かれなかったもん」
友紀「…うわあああんっ!リアル充実してる人間は滅びればいいんだっ!」
そう言うと。
「プツン………ツー、ツー、ツー」
携帯の向こうから聞こえる友人の声が途切れた。
つかさ「うーっ。リアルが充実してる訳じゃないもん」
繋がっていない携帯電話を見詰めて呟やく。
リアルが充実してる訳じゃないもん。
けいごさんが私を困らせたりするもん。
からかって。甘い声で耳元で囁いて。その後にすっごく楽しそうに笑顔を見せる。
その笑顔を見て、いつも何も言えなくなる。
私は困らされてばかりだよっ。
ん?。これがリアル充実してるって言うのかな?。
つかさ「~~~っ」
そう考えた自分が何故か可笑しくって、一人枕に顔を埋めて笑ってしまった。
胸が暖かい。
けいごさんの事を考えると、すっごく気持ちが落ち着く。
恋って不思議だと思う。
恋をしていないと何も思わなかった事。
例えば。
映画のCM。
何気なく眺めている映画の映像も。恋をしていると一緒に見たいって考えてしまう。
恋をしていない時は面白そうだけなのに。
何処かに出掛ける時もその人と一緒にって思ってしまう。
いつも見ている世界が少し輝いて見える様になる。
恋って本当に不思議。
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