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学校の門前。
周りにいる学生逹がざわつきだす。
圭吾「……どうして逃げるんだ?」耳元で囁かれる。
その事も気にせず、けいごさんは私を抱き締める力を強くした。
つかさ「っけいごさんっ……他の人逹に見られてますよ?」涙声。
泣くのを堪えようとしたけど堪えきれない。
涙がどんどん溢れてくる。
圭吾「そんな事どうでもいい」
私をぎゅっと抱き締める力が更に強くなった。
圭吾「つかさが泣いてるのに黙ってる方がずっと寂しい」囁かれる。
反則だよ。
つかさ「……私の方が寂しかったですっ……他の女の子からチョコレートもらってるのを見て……すっごく……寂しいです………」
圭吾「ごめん。チョコレート受け取っちゃ駄目だったね?」
そう言うと。
けいごさんは私の手を引いて、さっきの女の子の所まで歩き始める。
呆然としている女の子。
その女の子に。
けいごさんはチョコレートを返した。
圭吾「俺の彼女は寂しがりやだから、ごめんね?」
女の子「あっいえっ……」
圭吾「つかさ。車に乗って」
青いスポーツカーの助手席扉を開けるけいごさん。
私が車に乗ると。
優しく扉を閉める。
運転席扉を開けてけいごさんが車に乗る。
圭吾「つかさ……俺は…つかさにしか興味ないよ?…」
悪戯っぽく。
ニコって。
あの笑顔でけいごさんが笑った。
それを見て。
また涙が零れていた。
恋って本当に不思議。
好きな人の為に泣いて。
好きな人と一緒に笑う。
好きな人が傍に居るだけで、特別な時間になる。
恋愛って本当に魔法みたい。
さっきまでの悲しい涙が。
好きな人が言った一言で。
嬉しい涙に変わる。
恋って本当に不思議っ。
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