憂鬱な懇談会

6/6
前へ
/477ページ
次へ
「では、広報委員会…。 いませんか?」 「はい!」 「安藤さんですね! 他には…?」 さっき最初に自己紹介していた五年生の上のお子さんがいる方…。司会と顔見知りみたい…。 誰も挙げない。 「では、先に安全部を聞いてみましょう!」 「はい!」 また一人だけ! 「他にはいませんか?」 「では、安全部も決定しました!」 「次に、成人会員!」 残り全員が手を挙げた! 「では、皆さん、四人の所、11人いらっしゃいます…前に出て頂いて…」 司会が話し終わる前に、皆じゃんけんを始めた! 殺気立ってておっかなかった…。 佐枝子は負け、隣の方は勝った。 「広報委員会のあと一人の立候補者が無いので、くじ引きに入らせて頂きます!」 「本日、委任状で欠席された方も、くじ引きの対象としています!」 司会者が、20枚以上ある、委任状の束を見せながら、もう一人が、くじ引きを各テーブルに回って引かされる…。 佐枝子は5番…。 「では、行き渡りましたね!」 司会がくじの入った袋をシャカシャカよく混ざるように振り、手を入れる。 「5番…。」 佐枝子は目眩がした。私? 「5番、いませんか?」 佐山さんが、呆然としてる佐枝子の握られた手を覗きこんで、「日野さん、大丈夫、大丈夫、広報は、三役と編集以外は楽だって聞いたよ!」 声をかけられで我に返った佐枝子は、 「わ、私です!」 自分でもビックリするような大声で、返事していた。 「では、日野さん、安藤さんで、広報委員はよろしいですね?」 満場一致の拍手が鳴り響いた。
/477ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加