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今じゃない時間、ここじゃない場所。
まだ私が小学四年生の頃だった。
父親は自身の不倫を切っ掛けとして私と母を置き去りにして家を出ていった。
母は、当時の私から見てもどんな仕事をしてるのか理解できなかった。
毎晩毎晩、夜中に帰ってきては、朝早くに出ていく。
私は母親の顔を見ずに眠りに就き、母親の顔を見ずに朝を迎えていた。
朝は自分でパンを焼くし、昼御飯は学校の給食だった。
晩御飯は母親の作った鍋に入った惣菜やカレーをつついた。
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