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季節は、冬に差し掛かった。
田舎に住んでいた私は、家から学校まで距離があった。
雪が積もっていて、朝の光が辺りをキラキラと無数の光を放っていた。
吹雪、とはいかなくとも、結構降っていた。
辺り一面銀世界。
私は喜ぶこともしなかった。
いつものように朝を迎えて、登校していく。
その道の途中の話。
小さな猫が軒下に棄てられていた。
よくある、あのシチュエーションだった。
「飼えなくなったので拾ってください」
私は、その前で立ち止まっていた。
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