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「お、返信来た」
一斉送信でメールを送り、テレビを見ながら返信を待っていると、机の上に置いておいた携帯がブーブー震えた。
ギラリ!と目をギラつかせながら、携帯を手に取る。
本人は別にギラつかせたつもりは微塵も無いのだが。
「あんた目危なすぎるわよ」
「生まれつきだ」
そういう竜児の横には、大抵の場合大河がペタンと座っている。
定位置は少し変わり、テレビの前を陣取っていた大河は竜児の横に移動した。
ご飯を食べ終わってテレビを見る時は、頭をもたれかけさせる。これが定番になった。
1度だけひざの上に大河が座った時は、竜児は自制心を保つのに苦労した。
前で手を組んで抱き抱えたが、大河はそれに体重をかくて答えてきた。
顔を真っ赤にした竜児はなんとか誘惑に打ち勝ち、大河がそのまま寝てしまわないように気をつけていた。
で、今はというと。
「な、なあ。なんで今日はそっち側なんだ?」
「別に。何もない」
竜児の横ではなく、反対側にいるのだ。しかも、声も少しぶっきらぼうである。
だが怒らせるようなことはしてないし、竜児はなぜかわからなかった。
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