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「ただいま~」
「お帰り~。どこ行ってたの~?」
「別に…な、大河」
「あぅえぇぇえ!?そ、そう。そうなのよ」
「ふ~ん。まあいいや、やっちゃんは口出さないでおこ♪」
12時少し前だというのに、珍しく泰子は起きていた。
竜児と大河のことが、心配なのだろう。
「はふぅ…」
「茶飲むか?」
「はちみつのやつがいいわ…」
大河のリクエストをお答えして、レモン汁にはちみつをお湯で割ったドリンクを作る。
「はいよ」
「ありがと」
受け取って、一口すする。冷えきった体が温まる。
カップをもって和んでいると、泰子が突然大声を出した。
「あ~!!」
「何だよ!?」
泰子は大河の左手を指差して、口をパクパク言わせている。
しばらくパクパクして、ようやく日本語を話せるようになった。
「大河ちゃん…指輪…え?え~!?」
「あ…。そうだった」
泰子の反対側に大河と並んで正座し、泰子に向き直る。
「俺、正式に大河に婚約申し込んだから」
「ほんとに~!?きゃ~!やっちゃん嬉しい~!」
「これからもよろしくね、やっちゃん」
泰子は1人興奮していたが、いい加減眠たい。
竜児と大河は寝るために部屋に入った。
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