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そして時は流れ…
「くぁっ…終わった~」
「おう!」
大河は両腕をいっぱい伸ばし、気持ち良さそうに伸びをする。
その左腕は、竜児の顔面にヒットしたとも気付かずに。
「ん~!っはあ!!」
ノートやら筆記用具やらをカバンに詰め込み、歩きだそうとしてスカートを椅子に引っ掛けた。
「何やってんだよ」
「うっさいわね。わざとじゃないわよ」
丁寧に裂けないよう、椅子からスカートを救出してやる。
「よし」
とれるやいなや、大河はスタスタと歩き始める。
横に並び、昼間の能登が言っていたことについて考える。
「なあ、川嶋に了解とれたか?」
「2回電話かけたけど留守電だった」
大河は携帯を取り出し、フリップを開いて画面を確認した。
「やっぱかかってきてないし」
「忙しいんだろ」
横目で見つつ、自分も携帯を取り出す。メールが入ってないことを確認し、フリップを閉じてポケットにねじこむ。
腕時計を見てバイトの時間までまだあることを確認し、さてどうするかと思っていると、大河の携帯が鳴り響いた。
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