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「ばかちーからだ」
通話ボタンを押し、大河は電話にでた。間違って電源ボタンを押さなくてよかった。
「もしもし、ばかちー?」
<何しに電話なんてかけてきたのよ?何か企んでないでしょうね?>
歩きながら電話をする大河のつむじを見つつ、普通に歩いてても転ぶやつなのに大丈夫か?と気が気ではない。
「企むって何よ。あのね、明後日北村君が帰ってくるらしいの。それで、2ーCで集まろうって話しになって」
<はぁ!?亜美ちゃん超忙しいんだけど>
「たまには息抜きも重要だって」
<それどこじゃないんだけど~>
竜児に電話の内容は聞こえてこないが、大河の反応を見るに嫌がっているようだ。
「今回は竜児の手料理で、ぶぎゃっ!!」
<ちょっと、どうしたの!?タイガー!?>
ドジはいつものようにすっころんだ。
携帯はカシャッ、と地面を転がり、遠くにとばされる。
大河を立たせてやって、砂を払ってやってから携帯を拾う。
また転ぶといけないので、竜児が後を引き取る。
「もしもし」
<げっ、高須君!?>
「げっ、て何だよ」
電話の向こうでの亜美の反応に、少し心が痛んだ。
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