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目の前が、白く霞んでいく。
それは雪のせいなのか、涙のせいなのか
分からない。
いつしか君は
透明な雪の中に、溶けてしまったみたいに
見えなくなっていた。
僕は、たった一言すら伝えられない臆病者。
だけど、僕の上を降る雪はどんな時も
純白で穢れなく美しい。
―――― ただ、願った
この雪が積もって、僕を埋め尽くしてくれればいいと。
白く
何処までも白く……
そして僕は
ゆっくりと、目を閉じた。
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