crystal snow

3/13
前へ
/27ページ
次へ
まだ今よりずっと幼い顔をした僕等は、海の見えるバス停のベンチに座り、何時間も、他愛のない話をしていた。 あの時は君と、ずっと一緒にいられると思ってた。 バス停の前で足を止め、あの頃と変わらず 誰もいない、ぽつんと置かれたベンチに座る。 冷たい潮風が、僕の伸ばし放しの髪を揺らす。 冷えきった手を、黒いコートのポケットに入れて 目の前に広がる海を眺めながら 少し湿った空気を吸い込んで、白い息を吐く。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加