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まだ今よりずっと幼い顔をした僕等は、海の見えるバス停のベンチに座り、何時間も、他愛のない話をしていた。
あの時は君と、ずっと一緒にいられると思ってた。
バス停の前で足を止め、あの頃と変わらず
誰もいない、ぽつんと置かれたベンチに座る。
冷たい潮風が、僕の伸ばし放しの髪を揺らす。
冷えきった手を、黒いコートのポケットに入れて
目の前に広がる海を眺めながら
少し湿った空気を吸い込んで、白い息を吐く。
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